2007年12月25日火曜日

博士口述試験日程

山口裕子さんの博士請求論文
「インドネシア・ブトン社会における
歴史語りの社会人類学的研究」
の公開口述試験を、
以下の場所・日程で実施します。
社会人類学共同研究室所属の学生、
及びご関心のある方は、是非ご参加ください。

2008年1月9日(水)
16:00~18:00
一橋大学東本館2F・演習1番教室

2007年12月3日月曜日

【第89回】 アフリカセミナー 特集 『アフリカのポピュラーカルチャー』<第三回>

【第89回】
アフリカセミナー
特集 『アフリカのポピュラーカルチャー』
<第三回>

12月8日(土)13:30から18:00まで(13:15開場)
入場無料・事前申し込み不要
@一橋大学東2号館AV2202号室
(http://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html)

①13:30 岩崎明子(一橋)
「アフリカ・ポップ・アートのグローバル化と
西欧的主体の成型:マコンデ、
ティンガティンガ、シェタニ画の場合」
<要旨> 東アフリカ海岸部で制作される
「アート」作品が、グローバル・マーケットで
結びつけられた生産者と受容者の間に
奇妙な関係を生み出している様子をアフリカと日本での
フィールドワークに基づいて検討する。

②14:10 小川さやか(京都)
「ウジャンジャというポップ・アート」
<要旨> スワヒリ語でウジャンジャ
(tricky、cunning、狡賢さ、巧妙さ)と呼ばれる
ポップ(民衆的)アート(手腕・技術・芸術)について、
タンザニアの事例を中心に、
「ウジャンジャ」に論ずる試み。

③14:50 古川優貴(一橋)
「HipHopに音は入らない:YouTube、手話、ケニアの聾学校」
<要旨> 本発表は通常の発表ではなく、
発表者が制作した
映像最新作による「発表」である。
HipHopを音(メロディ)や政治的側面よりも、
リズムから捉えてみる。
映像素材は、YouTubeから拾ったもの、
ケニアの聾学校で自ら撮ったものなどの予定。
最終的メッセージがあるとすれば
「世界中でI Love Me(の手話)!」。

(休憩15分)

④15:45 「鼎談:ポスト・ワールド・ミュージック時代の
アフリカのポップミュージックとその受容・変容・借用・流通」
話題提起  鈴木裕之(国士舘)
X 鈴木慎一郎(信州) X 岡崎彰(一橋)
質疑・補足 金子穂積(音楽ジャーナリスト)
+ 小川さやか(京都)
司会 近藤英俊(関西外語)

<主旨> 
これはポップミュージック/ダンスについて
語り合うセッションです。
まずアフリカのポップミュージックに長年かかわってきた
三人が話題を提起し、次にその最新の状況に
詳しい若手が質問やコメントをし、
最後にセミナー参加者全員が各自
気になる問題について自由に語り合う場です。
また、語り合うだけでなく
たくさんの音・映像資料を鑑賞する予定です。
(資料の持込歓迎。PC以外の機器は要事前相談。)

<話題要旨>
鈴木裕之:
ワールド・ミュージック・ブームから
現在までの日本におけるマンデ・ポップス
(サリフ・ケイタやモリ・カンテ)の
受容・流行・衰退を通して、また同じマンデ音楽である
ジェンベ・ブームも少し絡めながら、
日本社会におけるアフリカ音楽について話してみたい。

鈴木慎一郎:
ワールドミュージックを、
特定の音楽ジャンル名というより、
音楽との新しい接し方のひとつだったととらえ、
その現象を構成していたもの、例えば
「民衆に根ざしているかどうかの基準で音楽を聴くこと」や
「他者の音楽を媒介にして
自文化の音楽に意識的になること」などの
思想史的・文化史的意味を、アフリカ音楽、
アフリカ系カリブ音楽のいくつかを話題にしつつ、考えてみたい。
またワールドミュージック「頓挫」以降の、
癒し系、エキゾ音楽、クラブ音楽といった文脈での
非西欧音楽の受容をどう語ったらよいのか、
これまでの議論をもっと複雑化させることが
できるような、話題提供をしたい。

岡崎彰:
以上の話題を受けて、行き当たりばったりで、
話題を盛り上げたり深めたりしてみたい。
自前の話題としては、例えば、日本では、CongoのKononoを
トランスミュージックとして愉しむ人、
ケニア・ルオのリラ歌(Nyatiti)を習得した日本人女性、
アフリカ・ダンス教室の増加、多様なジェンベブーム、
在日アフリカ系ミュージシャンの増加、そして、
アフリカと世界との関係では、内戦その他様々な理由で
アフリカから世界各地へ移動・離散するアフリカ人の増加、
YouTubeなどの動画共有サイトが可能にした
商品化を経ない(出来ない)音楽でも配信できる状況、
そしてアフリカ音楽・ダンス・イディオムの借用・
リミックスの増加現象などについて、
映像資料を見ながら考えてみたい。

⑤18:15以降(till dawn?)
東本館社会人類学共同研究室にて懇親会
(費用実費・参加自由)
問い合わせ先: 岡崎彰 (一橋大学)
TEL: 042-580-8960  
E-mail: akira.okazaki@srv.cc.hit-u.ac.jp